東急電鉄の旧型車両が現役で走る弘南鉄道大鰐線

大鰐を起点とするのどかな民鉄・弘南鉄道大鰐線

大鰐駅を起点に、弘前市の中心部にある中央弘前駅までの全長13,9kmの区間を結ぶ弘南鉄道大鰐線。1952年(昭和27年)に開業し、長年に渡って通学や通院など「地域の足」としての役割を果たしてきました。この大鰐線には東急電鉄で活躍していた旧型車両が現役で運行するなど、東京での生活経験がある方々には懐かしい趣を感じさせてくれる鉄道です。

存続も危ぶまれた大鰐線

弘南鉄道には大鰐線と弘南線の2路線があります。弘南線は弘前駅でJRと接続しているのに対し、大鰐線は弘前駅には接続せず市街地の中心部にある中央弘前駅を起点としています。じつはこの2路線はもともと別の会社によって運行されてきたことがその要因です。大鰐線は弘前電気鉄道として1952年に開業しましたが、その後、1970年10月にこれを弘南鉄道に譲渡し、弘南鉄道大鰐線となりました。

大鰐線の利用者数は1974年度の389万8000人をピークに年々減少し、2015年度には46万8000人まで落ち込んでしまいました。こうした経営難のため、2013年6月27日の弘南鉄道の株主総会で、船越弘造社長は大鰐線を2017年3月で廃止する方向を示す事態にも至りました。しかし1カ月後の同年7月22日には廃止方針を一旦白紙撤回したため、大鰐線は存続することになりましたが、まさに予断を許さない状況にあります。

大鰐線の起点、大鰐駅はJR奥羽本線・大鰐温泉駅に隣接し、跨線橋でも接続されています。もともと国有鉄道奥羽北線(のちの奥羽本線)大鰐駅として1895年に開業した古い歴史のある駅です。旧国鉄が分割民営化しJR東日本となったのち、1991年3月16日に大鰐駅を大鰐温泉駅に改称しましたが、弘南鉄道大鰐線は大鰐駅の名称のまま営業しています。

大鰐町中心部は駅南側に位置し、このためJR大鰐温泉駅は駅南側にだけに改札口があります。一方、JRの北側にホームを持つ弘南鉄道大鰐線は1981年に北口改札を開設しました。南側にもJR駅舎に並ぶ形で弘南鉄道駅舎と改札口を持っていましたが、改札を抜ければJRホームと跨線橋につながっており、JR駅構内を通って弘南鉄道大鰐線ホームに抜けるというユニークな構造になっています。なお、2009年4月1日から、この弘南鉄道大鰐線大鰐駅南口は終日無人化されました。

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JR大鰐温泉駅横にある弘南鉄道専用の大鰐駅南口駅舎

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JRの跨線橋の先に大鰐線のホームがあります

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跨線橋からの眺め。左側がJR、右側が弘南鉄道です

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快速列車運行時代の名残

東急電鉄7000系車両が現役で活躍

弘南鉄道大鰐線では東急電鉄から譲り受けた7000系が現役で活躍しています。東急東横線から地下鉄日比谷線に直通する車両として、かつては銀座や六本木でも見かけた懐かしい車両が、弘南鉄道では2両編成化され、運転席後ろには運賃表や整理券発券機、運賃箱当を設置してワンマン運転を行っています。乗務員1人で電車の運転から車掌業務、駅での運賃収受業務までを行っています。

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旧東急7000系が今も元気よく走っています

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ワンマン化のために設置された設備

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つり革などあちらこちらに東急時代の名残が見受けられます

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吊皮の中に1つだけハートの形が!!

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東急車両製

お得な切符「さっパス」

弘南鉄道大鰐線では様々なイベント列車の運行や、お得な切符の販売を行っています。一例として、冬季と混雑時期(さくら・ねぶた祭り期間)以外の土日祝の全時間と平日の日中は、電車内に自転車の持ち込みが可能です。また、大鰐駅~中央弘前駅間の往復切符と大鰐駅に隣接する「鰐come」の入浴券+買い物券200円分(貸タオルの利用可)がセットになった「さっパス」は通常1,560円かかるところを1,000円で販売しています。お札1枚で大鰐と弘前を往復できて温泉入浴までできてしまうお得な切符です。弘前からぜひお気軽に大鰐温泉へ、「さっパス」を購入して弘南鉄道大鰐線を利用してお越しになりませんか?

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大鰐線の車窓を360度で体験してください

大鰐線車両先頭部からの眺めを360度動画で収録しました。VRヘッドセットをお持ちの方はぜひお試しください。

大鰐駅を起点とする弘南鉄道大鰐線、大鰐駅からの車窓を360度動画でお楽しみいただけます。

湯のまち大鰐物語さんの投稿 2017年7月12日

(SH)

データ

大鰐駅
青森県南津軽郡大鰐町大字大鰐字前田34-20

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