大鰐町散策/湯巡り 霊湯正観湯温泉旅館

身も心も温まる、霊湯正観湯温泉旅館

ライダーを中心にリピーターが多いことで知られる正観湯温泉旅館。大鰐町にありながらも、大鰐温泉郷からは外れた場所で営業するこの旅館が長年にわたって数多くのリピーター客で支えられている理由はどこにあるのでしょうか。女子大学生のKSとHMが、正観湯温泉旅館の魅力を探りに行ってきました。

家族が出迎えてくれる人情温泉旅館

大鰐町の中心部から少し離れた丘の上に立つ正観湯温泉旅館は、横山安則さん(通称あんちゃん)と弟の正行さん(まっちゃん)、安則さんの娘さんの紀子さん(のりちゃん)が経営する温泉宿です。正観湯温泉の開業は昭和49年。当時、正義会(正法実義)で法華経信仰をしていた安則さんの父が、霊感によるお告げで温泉を掘ったことにより始まりました。この名前の由来は、正義会の「正」、実際に温泉が出たのが9月25日であったことから、法華経の二十五番のお経『観世音菩薩』にちなみ「観」、「あらゆるものを温め洗い浄める湯」という意味を込め「霊湯正観湯」と名付けたといいます。もともとは公衆浴場として開業しましたが、お客様から「泊まったりできないの?」という声が数多く寄せられたため、日帰り休憩室を利用して、宿泊営業も始められたそうです。

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オーナーや板長がバイク好きということもあり、屋根付オートバイ用駐車場も完備。「ライダー大歓迎」の宿としても知られています

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温泉浴場、日帰入浴料は大人250円!

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宿泊部屋、Wi-Fiも完備されていました

人と人とが出会い語らう温かな場所

正観湯温泉旅館の魅力は「一緒にお酒を飲み交わしてこそ分かる」と安則さんは言います。他の旅館やホテルでは禁止になっていることも多い「お酒や飲食物の持ち込み」ですが、正観湯温泉旅館にはとくに決まったルールはなく、お客様が自由に持ち込んでいます。そのかわり、持ち込んでいただいたお酒を他のお客様にも振舞っていただいて、みんなで楽しんで頂きたいと勧めています。そうすることによりお客様同士のコミュニケーションも生まれ、より楽しい空間が広がるからです。

正観湯温泉旅館にも売店はあり酒類の販売をしています。持ち込みOKにしてしまえば売上は増えません。「うちは営業とか経営を無視してやっているようなものだからね、ヒーヒー言ってるよ」と笑う安則さんに、利益よりも人との出会いやコミュニケーションを大切にする懐の広さを感じました。

安則さんは「お客様皆さんと飲み交わしながら会話を楽しむ」という正観湯温泉旅館のこうしたサービス提供の仕方について、「僕自身そういうのが好きだから。こんな狭いところにいるからこそ、よそからきた人の話は楽しい。行ったことない場所のことも分かる」と楽しそうに語ってくれました。

もちろん、お客様の中には一人でいたいという人もいるでしょう。好きな過ごし方は人それぞれ異なるので、そこはお客様が自由に時間を過ごしていただいて寛いでくださればよいそうです。リピーターとなるお客様が多いこともこの正観湯温泉旅館の特徴です。古いお客様では約30年に渡って通ってきてくださる方もいるといいます。たとえば18歳のときに1人で来られた方が、次は奥さんと一緒に訪れ、そのうちお子さんも連れてやってくる。そして、数年後には成長したお子さんが1人バイクに乗って訪れる…。そういった時間の流れと人との繋がりが、この正観湯温泉旅館を軸にして築かれているのです。

廊下にはたくさんの本が並び、また写真も飾られています。これらの本は安則さんの私物のほかに、お客様が持ってきてくれたものも数多くあります。持ち出しも自由になっていて、続き物以外は持って帰ってもいいそうです。「また来るときにでも返してくれればいい」と言いますが、実際返却されない本があっても分からないのだとか(笑)。写真も、泊まりにいらしたお客様が、ご自身で撮られた写真をお土産として持ってきたくれたものだそうです。お越しになられたお客様と一緒に記念写真も撮ることも多く、あとで写真を見たときに「また行こうかな」と思い出してくれれば嬉しいとおっしゃいます。

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ノスタルジーな雰囲気が感じられる食堂、夜はここでワイワイと語り合いが続くそうです

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お客様からの寄贈も多い持ち出し自由文庫と写真の数々

また訪れたくなってしまう魅力がここにある

正観湯温泉旅館の魅力、それは何といっても横山さん一家のおもてなしの心と人の温もりではないかと思います。経営される安則さん、正行さん、紀子さんらが、お客様とのコミュニケーションを大切にし、ご自身たちもその交流を楽しまれているという感じが伝わってきました。

取材を通じてリピーターになるお客様の気持ちがわかったような気がします。温泉で体を休め温めるだけでなく、ここは心も温まります。実家に帰ってきたような、家族の温もりを感じる温泉旅館でした。つい「また来ます、次はお客さんとして!」と、そう言って正観湯温泉旅館を後にしました。次は美味しいお酒を飲みながら皆さんと話をしたい、あるいはちょっと疲れたな、誰かと話したいな、ゆっくりしたいな、と思ったらここへ、そう思える温泉旅館でした。

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(左から)横山安則さん、正行さん、紀子さん

まるで我が家のような温もりを感じる正観湯温泉旅館。ぜひ一度訪れてみてください。

(KS/HM)

アクセス

奥羽本線 長峰駅から836m
東北道碇ヶ関ICよりR7を北上約7㎞/大鰐・弘前ICよりR7を南下約8㎞のR454へ入り500m

所在地  〒038-0202 青森県南津軽郡大鰐町長峰字九十九森135-1
電話番号 0172-48-3000 FAX 0172-48-5217
http://www.shoukantou.net/

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